御由緒

由良湊神社は、淡路島の東南部、紀淡海峡を望む天然の良港・洲本市由良に鎮座する古社です。
速秋津日子神、速秋津比賣神、品陀和氣命の三柱の神様をお祀りしています。
海と河口を司る港の神様として、航海の安全や漁業の繁栄に御神威を発揮されます。
また速秋津比賣神は、「祓い清め」の御神徳をお持ちの神様であり、厄除けや災難除けのお恵みを仰ぐ多くの方々の信心を広く集めています。
略記
創立年代は不詳ですが、由良水門の守護神として古くから祀られ、平安時代に編纂された『延喜式神名帳』にも記載された式内社です。
中世には八幡信仰が広がり当地にも祀られたようですが、近世には成山城主・池田忠長によって八幡宮が再興されました。
その後、江戸時代に洲本へ国府の移転(由良引け)が行われ、八幡宮は湊神社境内に遷座。
明治三年、両社を合併して現在の「由良湊神社」となり、今日に至ります。
今に伝わる
祭典と風習
由良湊神社では、季節ごとにさまざまな祭典が行われています。
稚児の成育を祈る「ねり子祭」や、無病息災を願う「夏越祭」は、
地域に深く根付いた伝統行事として今も大切に受け継がれています。
戦後間もない時代の布団だんじりの写真にも、地域の誇りと人々の祈りが刻まれています。

御祭神
由良湊神社には、次の三柱の神々をお祀りしています。
・速秋津日子神
(はやあきつひこのかみ)
・速秋津比賣神
(はやあきつひめのかみ)
・品陀和氣尊
(ほむたわけのみこと)
速秋津日子神・速秋津比賣神は、川や港の流れを司る水戸の神。
品陀和氣尊は応神天皇の御神霊で、広く「八幡さん」として親しまれています。
祓い清めの女神
速秋津比賣神

速秋津比賣神は、「祓戸四神」の一柱として、罪や穢れを祓う御力を司る女神です。
『大祓詞』では、激しい潮流の水路が交わる場所に坐し、海に流れ着いた禍事や穢れをすべて呑み込み、清めるお働きをなされると伝えられています。
人々の穢れを祓い、心身を新たに導く御神徳は、浄化と再生の女神として、多くの方々の信心を集めています。
由良湊神社では、速秋津比賣神の祓い清めの御神徳を意匠とした特別な御朱印帳を授与しております。